第8.5話 仲良し? 
「何故リースとヴェンは、そのように言い争いをしているのだ?」

「何故って…」

「というか、こいつが一方的に突っかかって来るんだけどな」

「仲良しなのよ」

「「それは無い」」

 ナギサの言葉の後に、間髪を入れずリースとヴェンが同時にツッコミを入れた。

「そうか、仲良しなのか」

「「だから違うって」」

 翡翠の言葉の後にもリースとヴェンは同時にツッコミを入れた。息がぴったりだ。

「ね、息もピッタリでしょう?」

 仲良しでしょう?と言いたげに、ナギサはにっこりと聖母のように微笑んだ。

「なるほど、理解した。ヴェンとリースは仲が良いのだな」

 翡翠の表情は相変わらず無表情だったが、どこかすっきりとしているように見えた。

「「ちがーーう!!」」

 ヴェンとリースの断末魔のような叫び声は、もはやナギサと翡翠には届かない。